家電 裏話

1億総デジタルカメラ時代による悪い影響とは

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今や、カメラと言えばデジタルカメラです。フィルム用のカメラを購入しようと思っても、むしろ入手困難になっている状態です。

カメラも既に特別な分野ではなく、家電の一部となってしまいました。

その昔カメラと言えば専門店で購入する物でしたが、デジタルカメラが一般普及する少し前から、コンパクトカメラ類が家電メーカーから販売されるようになり、少しずつ家電店で購入できるようになったのです。

それでも、専門的な一眼レフカメラなどは、やはり専門店で買うのが普通でした。

時代とともに変化するカメラを使う人

1997年当時、NikonとKodacから、一眼レフタイプのデジタルカメラの初期モデルが発売されましたが、600万画素で300万円以上すると言う非常に高額でした。
一般の人の手に届くものではなく、また、出力の面でも当時はそれほどの発達を見ておらず、ほとんどがプロの人が使うものであったのです。

いわゆる中判カメラ、大判カメラといわれる機種のデジタルバックはさらに高額です。
同じく600万画素程度で1000万円を出るというもので、しばらくは一般普及する代物ではないなと言う見方が強かったのです。
しかし、予想に反して、わずか8年ばかりで600万画素の一眼レフのデジタルカメラは、30万円を切る形で発売されました。

初期の機種価格の1/10を切る価格と言うことに驚きです!

それから間を開けずに、さまざまなメーカーから1000万画素を超えるデジタルカメラなどが次々発売されていきます。

今では携帯やスマートフォンでも1000万画素を超えていますよね!

やがて、コンパクトカメラもデジタル化し、フィルムカメラは店頭から次々に消えていきました。

フィルムカメラが完全になくなった要因は、デジタルカメラが普及したことによって町の写真屋が消えていき、フイルムカメラを持つ高齢の方々が写真を現像プリントする場がなくなり、悪い意味での相乗効果によって、フィルムカメラの歴史は断たれます。

同時に写真屋も軒並みなくなっていき、現在では全く残っていないと言っていいでしょう。

カメラメーカーだけではなく、撮影からプリントまでをオールインワンと捉え、カメラ以外にも周辺機器、つまりコンピューターや、プリンター、スキャナーなどの同時販売を考えることで、家電メーカーがこぞってデジタルカメラ商戦に参加する事になります。

フィルムカメラと写真屋の消滅

フィルムカメラの消滅、写真屋の消滅によって、望む望まないに関わらず、全ての人がデジタルカメラを購入しなければならなくなったと言うことは、ある種家電メーカーの陰謀かとも思ってしまうほどのものでした。

デジタルカメラを購入すれば、少なくとも対応プリンターは最低限購入しなければならず、変換期においてはコンピューターさえも必須だと言う状況でもあったのです。

現在は、プリンターの仕様がコンピューターに依存せずとも問題はない上、スキャナー付きプリンターといった複合機もあり、比較的全てを安価にそろえることができるようになりました。

しかし、カメラの総デジタル化は大きな弊害を生んでいます。

機械は便利になればなるほど、簡単になるようでいて、実は選択肢の多さ故に、どう扱って良いのかわからない人が非常に多いのです。

説明書を見ても、機能が多いことで大変な難関を強いられます。
また、スペックが高いことで、フィルムカメラを扱うように扱っては、想定と違うものしか撮れません。

後部に液晶があり、撮った写真を一枚一枚確認できる、いらない写真はその場で捨てられるなどのメリットはありますが、確認して思った通りになっていなくても、何をどう設定すれば良い写真になるのかわからない人がほとんどなのです。
若いユーザーも多くが機能を理解していませんが、高齢の方は全く理解できていないと言って良いでしょう。

フィルムコンパクトカメラは、オートにさえしておけば全てが自動でそこそこには撮れたのですが、デジタルカメラはオートであっても被写体の条件がわずかでも変わると同じには写らないのです。

現在のデジタルカメラはスペックが高いことで、感度なども必要以上に良く、ストロボ発光を自動にしておくとほとんどの場合、室内でも発光しません。

しかし、条件下によって、ISO感度や、ホワイトバランスを適切にしないと変に色のついた写真になったり、荒い画像になったりします。

ホワイトバランスはオートにしていても、安価な機種は適当な条件をカメラが選択しないことが多く、黄色っぽい写真だったり、妙に青い写真になってしまったりします。

ISO感度も、フィルムカメラであれば、フィルム自体にISO感度設定があり、しかも選択肢は、100、400、800程度で少なかったですし、どこでも購入できるものはISO400がほとんどで、感度まで撮影者が真剣に考えなければならないと言うことがなかったのです。

確かに、細かくいろいろな条件下におけるモードの細分化はされていますが、マークを見て瞬時にわからなければ何の意味もありません。

デジタルコンパクトカメラだけではなく、最近は家電店で気軽に購入できるためか、デジタル一眼レフを購入する一般の方も多くなりましたが、こちらはさらに思った通りの写真を撮ることが困難です。

コンパクト系と違い、一眼レフの場合、先述した条件にプラスしてレンズの選択肢が加わるからです。

レンズ、ボディ、撮影条件、被写体、目標の撮影後の写真の想定を考えた場合、調整しなければならない機能は、フィルムカメラのそれとは似て非なるものと言っても過言ではないほどの相違があるのです。

簡単に保存は簡単に消去出来るということ、知らないと怖い保存の仕方

それよりも大きな問題があります。
それは、データーの保管の問題なのです。コンピューターをお持ちの方は恐らくコンピューターにダウンロードしただけの保管をしていると思います。

お持ちでない方は、カメラに付属しているスマートメディアやSDカード、MicroSDなどにそのまま保管し、消去しながら使用するか、新たに追加で記憶メディアを購入して保存している事ではないかと思います。

コンピューターをお持ちで、少し詳しい方は、コンピューターのハードディスクに残しながらも、USBメモリや、DVD-ROM、CD-ROMなどにバックアップをとっている人もいるでしょう。
しかし、それらはいずれ全て駄目になる可能性が非常に高いと言えます。

コンピューターの発達に伴って記憶メディアはさまざまな変換を遂げてきました。

古くはフロッピーディスク、MOやJAZZ、CD-ROM、DVD-ROM、USBメモリからスマートメディアそして現在主流のSDカードやminiSDなど短期間で実に多くの記憶メディアが出ては消えていきました。
問題は、消えたものは次世代のコンピューターとの互換性が全くないと言うことです。

例えばひどい例になると、CDやDVDであっても、規格が変わると読み込めない、データが入っていると認識しないなどの状況にすらなります。

また、コンピューターへの保管はコンピューターのトラブルで同時に消失してしまいます。
一番ベストな方法は新しいメディアが出る度に、データーを移し替える事なのですが、労力もお金も掛り現実的ではない上、いつ新しいメディアが出るかなんてマニアでない限り、チェックし切れるものではありません。

結果として、大事なデータを全て失うことになり、プリントもなくなった場合、二度とその思い出の場面を見ることができなくなるのです。
それを何とかしたいと言うことになると、データ復旧業者に2万円も3万円もの無駄なお金を支払って、できる分だけ復旧してもらうしかありませんが、高額な割に全てのデータを完全な形で復帰してくれるとは限りません。

現状、思い付く限りの安全策を取るとするならば、外付けハードディスクを購入し、コンピューター、外付けハードディスク、USBメモリー、DVD-ROM、Blu-rayの5段階の保管によってプロテクトを掛けるのが理想的です。
特に外付けハードディスクは丁寧に扱ってさえいれば中でも一番安定性と互換性が認められると思います。

ネガフィルムより保管が楽な様に感じるデータ保管ですが、これから3年後、4年後にこう言った問題は噴出してくると思います。

ネガは消えませんが(劣化のみ)、データは消えて失われるのです。ぜひ、今から対策を講じておきましょう。

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